保育園の調理師は、子どもたちが毎日口にする給食やおやつを作る仕事です。成長する子どもの身体づくりを助ける存在として、やりがいをもって働けるかもしれません。しかし、年収はどれくらいなのでしょうか？今回は、保育園で働く調理師の平均給料に加え、仕事内容や求人などを紹介します。また、働くうえでの大変なことや楽しいこと、転職に役立つ志望動機の例文などもまとめました。
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保育園で働く調理師について知ろう！
保育園では、保育士さんはもちろん、事務員さんや看護師さんなど、さまざまな職員さんが働いています。
そのなかでも、子どもたちが毎日食べている給食やおやつを作っているのが調理師さんです。子どもたちにとっては、「給食の先生」と言えますね。
調理師さんは、栄養面を考えてバランスのよい食事を作ったり、ときにはアレルギーに配慮したものを用意したりと、子どもたちの成長を「食事」の面からサポートします。
また、「どんな味つけなら、より美味しいかな？」「見た目を工夫すると食事が楽しいかな？」など、子ども相手ならではの視点で給食を作ります。
栄養士さんと混同してしまいがちですが、栄養士さんが考えた献立をもとに実際の調理を担当するのが調理師さんであるため、美味しい味付けや盛り付け方を工夫する重要な仕事と言えるでしょう。
ここからは、保育園で働く調理師さんの給料や仕事内容について解説します。
保育園で働く調理師の給料・年収
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内閣府「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果＜速報値＞【修正版】」によると、私立保育園と公立保育園の常勤・非常勤調理員の平均給料（ボーナス込み）は以下のようになります。
| 私立保育園 | 公立保育園 | |
|---|---|---|
| 常勤 | 26万9534円 | 32万9211円 |
| 非常勤 | 17万3290円 | 14万4384円 |
表の数字を年収に換算すると、私立の常勤調理員の年収はおよそ323万円、公立の常勤調理員の年収は395万円程度となります。
同資料において、私立保育園の常勤保育士の給料が30万1823円、公立保育園の常勤保育士の給料が30万3113円（※どちらもボーナス込み）と示されているので、保育士さんと比べるとやや給料が低いことがうかがえます。
ただし、保育園調理師として正社員で勤めた場合は、正社員保育士さんと同じ福利厚生を利用することができます。「借り上げ社宅制度」や「託児利用」など、保育園ならではの福利厚生が整備され、手取りが少ない場合でも生活にかかる負担を軽減できることも。
保育園で働く調理師さんの雇用形態については次項で紹介します。
また、公立か私立、あるいは地域によっても異なりますが、パートやアルバイトで働く場合、時給1000円～1200円程度が相場のようです。
ちなみに厚生労働省の資料によると、全国の給食調理員全体（病院や学校給食含む）の平均年収は339万5000円であるため、保育園で働く調理師さんの年収はその他の施設で働く調理師さんよりも多少給与が低い場合があるかもしれません。
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保育園で働く調理師の勤務形態
保育園の調理師さんは、どのような勤務形態で働けるのでしょうか。
内閣府「公定価格に関するお知らせ事項」の資料では、保育園の調理員について以下のように配置基準が定められています。
| 保育所の利用定員 | 調理員の配置人数 |
|---|---|
| 40人以下 | 1人 |
| 40～150人以下 | 2人 |
| 150人以上 | 3人（うち1人は非常勤） |
配置基準に定められている調理員とは調理に従事するスタッフを指し、栄養士や調理師の資格・免許を持たない人も含んでいます。
そのため、多くの保育園では「栄養士や調理師の正社員1～2人と調理補助のパート」といった形で有資格者を正社員として雇っているケースが多いようです。
もちろん、正社員だけでなくアルバイトやパートでも働けるので、子育て中の方やブランクがある方などでも働きやすいでしょう。
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保育園調理師への転職相談をしたい保育園で働く調理師の求人事情
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先ほども紹介しましたが、保育園調理師の求人には、正社員だけでなくパートやアルバイトの募集も多くあります。
正社員の募集では保育園での実務経験や調理師としての経験が求められることもありますが、資格なしでもOKの求人もあるようです。
パートやアルバイトの場合は、実務未経験やブランクありの方でも応募しやすい求人が多いうえに、短時間勤務可能な施設もありますよ。
全国の給食調理員全体の2024年度の有効求人倍率は、3.77倍と需要が高い状況にあります。ただ、調理員を置いていない園や、少人数で回している園もあるため、求人数は多いとは言えないかもしれません。
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保育園調理師への転職相談をしたい保育園で働く調理師の仕事内容
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ここからは、保育園で働く調理師さんの具体的な仕事内容を見ていきましょう。
食材の準備・下処理
調理師さんは、栄養士さんの指示や献立表に基づき、給食やおやつに用いる食材の発注や納品確認などを行ないます。
また、子どもたちが安全に口にできるよう調理前に食材の下処理を行なうのも仕事内容に含まれます。
給食・おやつの調理や盛り付け
保育園で働く調理師さんのメインの仕事内容は、子どもが食べる給食やおやつを調理することです。
園児のアレルギー対応や離乳食の調理なども行なうため、個別の対応が求められることもあるでしょう。
また、子どもたちが食べやすいように食材の大きさや形を工夫して切ったり、やわらかさなどに配慮したりすることが必要になります。
子どもたちが美味しく楽しく食べられるように、調理から盛り付けまで一貫して対応するのが調理師さんの仕事と言えますね。
ごみ処理・衛生管理
子どもたちの食の安全に配慮するのも調理師さんの仕事内容の一つです。
給食やおやつの時間が終わったら使った食器や調理器具を洗浄したり、調理の過程で出たごみなどを処理したりします。
また、細菌などの発生を防ぐために調理室全体を清掃したり、水質検査をしたりするのも大切な業務と言えるでしょう。
さらに、食材を適切に管理し保存するのも業務の一環。
子どもたちに安心して給食を食べてもらうために衛生管理を徹底することも、保育園調理師さんの仕事です。
子どもの食育
最近は食育に力を入れている保育園も増えているようです。
そういった園では、園児といっしょにイベントのおやつ作りをしたり、園庭や畑で作った野菜を子どもたちに収穫してもらい、その食材を使って調理したりすることもあるかもしれません。
子どもたちが食べ物に興味を持ったり、食事が楽しみになったりするような活動を考えていくことも大切な仕事と言えるでしょう。
他にも、調理補助へ適切に指示を出すなど、管理者としての業務も仕事内容に含まれるようです。
保育園で調理師として働くのに調理師免許は必須？
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「調理師」として働くためには都道府県知事によって認定を受けた調理師免許が必要です。
調理師免許は、以下の方法で取得できます。
- 都道府県知事の指定する調理師養成施設で、1年以上調理師として必要な栄養や調理、衛生に関する知識と技能を修得し卒業する
- 厚生労働省が定める飲食店などの施設で2年以上調理業務に従事し、調理師試験に合格する
ただし、保育園では調理師の配置は必須とされていないため、資格なしの方が調理員や調理補助として働くことも可能です。
そのため、調理補助として転職して実務経験を積みながら、将来的に調理師免許取得を目指すのもよいですね。
ただし、求人票の応募資格の欄に「調理師免許をお持ちの方」などと記載がある場合は、選考において不利になってしまうことも考えられます。応募前に園の募集要項をきちんと確認しておきましょう。
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保育園調理師の求人を探す保育園調理師の楽しいこと・大変なこと
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保育園で調理師として働くうえで楽しいと感じることや、反対に大変なこと・抱えがちな悩みなどをまとめました。
楽しいこと・やりがい
子どもたちの「おいしい」を近くで聞ける
保育園の調理師さんは、子どもたちのために給食やおやつを作っていますよね。
自分が作ったものを子どもたちが笑顔で食べていたり、「おいしい！」と感想を伝えてくれたりすれば、仕事が楽しいと感じやりがいにもつながるでしょう。
「食」を通して子どもたちと近い距離でふれ合いながら働けることが、保育園調理師の魅力と言えそうです。
食育に携われる
保育園の献立は、季節の野菜や素材の味を活かしたメニューが多いようです。
旬の食材や季節ならではの料理を作ることで、「さつまいもって甘いんだ」「秋はサンマがおいしいんだ」など、子どもたちの新しい発見を引き出すことができるかもしれません。
子どもに食事の楽しさや大切さを伝え、健やかな成長を支える手助けができるのも保育園調理師ならではのやりがいと言えるでしょう。
保護者を助ける存在となれる
「家の食事では栄養バランスが取れない」「アレルギーへの配慮が大変」など、子どもの食事に関して悩みを抱える保護者もいるでしょう。
栄養をしっかりと摂取できるものや子どもたちが食べやすい給食を提供することで、保護者が安心して子どもを保育園に預けることにつながるかもしれません。
また、アレルギーのある園児の保護者と定期的に面談を行い、栄養士を交えながら今後のメニューをどうしていくかを相談することもあるようです。
家庭と連携して子どもの健康をサポートしていけるのも、保育園調理師だからこそのやりがいと言えるでしょう。
飲食店より安定して働きやすい
保育園の調理師さんは、飲食店勤務よりも安定的に働けるようです。
認可保育園は自治体からの補助を受けて運営しているため、景気などに左右されず比較的経営も落ち着いているでしょう。
一方、飲食店などのサービス業界は景気に左右されやすく経営は不安定になりがち。労働時間も長い傾向にあるため、ライフステージが変わっても長く働き続けるのは難しいかもしれません。
最近は、保育士不足を背景として保育園に勤める職員の待遇を改善する動きもあり、ボーナスありなど手厚い福利厚生を受けられる求人もあるようです。
そのため、飲食店やホテルなどのサービス業よりも保育園で調理師として働く方が、将来的な安定が見込めるかもしれません。
大変なこと・悩み
アレルギー対応に慎重になる必要がある
保育園調理師として働くうえで、子どものアレルギー対応が大変だと思う方は多いよう。
子どもたち一人ひとりのアレルギーを把握し、保護者と相談してアレルギー対応食を作るなど、個別の対応を求められます。
アレルギーは子どもの命に関わるため常に配慮する必要がありますが、責任が大きく大変だと感じるかもしれません。
その反面、調理において大切なアレルギー対応を身につけることができるため、自身のスキルアップにつながるでしょう。
高い衛生観念が求められる
異物の混入や細菌の繁殖などは子どもの身の安全に影響するため、食材の管理や下処理、調理室全体の消毒など徹底した衛生管理が重要になります。
常に緊張感をもって仕事を行なう必要があるため、大変だと感じる方もいるでしょう。
また、直接食材を扱うため自分自身の健康管理も重要となります。子どもの健康を預かっているという責任の大きさに悩みを抱えることもあるかもしれませんね。
休みがとりづらいことも
保育園では、正社員のほかに短時間勤務のパート調理員を採用して、比較的少人数で回しているケースが多いよう。
1人が休むと人手が足りなくなってしまうため、周囲に気をつかって休みを取らず、プライベートとの両立に悩みを抱える方もいるようです。
休みを取りやすくするためには、先々の予定を決めておいたり、行事前など忙しい時期を避けたりするのがポイント。
また、園選びをする際に、求人票などで有給休暇の取得率をチェックしておくことも大切でしょう。
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保育園調理師への転職相談をしたい保育園調理師の面接に役立つ志望動機の例文
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保育園調理師の選考を受ける際、志望動機でどのようなことを伝えればよいのでしょうか。履歴書や面接で役立つ例文を紹介します。
志望動機の例文1
志望動機の例文2
志望動機の例文3
志望動機の例文4
志望動機を作成するうえで避けたいのが、「年収がよい」「手取りやボーナスが高い」など待遇面について触れることです。こういった条件を志望動機として挙げると、「他の園でもよいのでは？」「保育園じゃなくてもよさそう」などと判断されやすくなります。
例文のように、自分自身の経験や、給食で子どもの成長を支えたいという思いを伝えると、「自分たちの園で活躍してもらいたい」といった評価につながるかもしれません。
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保育園調理師への転職相談をしたい出典：調理師法/厚生労働省
出典：公定価格に関するお知らせ事項/内閣府
出典：令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果＜速報値＞【修正版】/内閣府
出典：給食調理員/厚生労働省
調理師の経験を活かして、保育園で働いてみよう
保育園調理師は、子どものために栄養バランスが整った給食やおやつを作る仕事です。調理以外にも食材の準備や衛生管理などさまざまな仕事をこなしています。
アレルギー対応など大変に感じることもある一方で、美味しそうに食べる子どもたちを見ることができるなどやりがいを感じられる瞬間も多いでしょう。
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