8月の中旬に迎えるお盆期間。保育園での過ごし方を工夫して、子どもたちが日本の昔ながらの風習に親しむきっかけづくりをしてみましょう。今回は、子どもたちの理解を深める、保育園でのお盆の過ごし方アイデアを紹介します。あわせて、お盆の意味や由来を子ども向けにわかりやすく説明する言い換え例もまとめました。
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お盆の由来とは?
お盆は、ご先祖様が一年に一度この世に戻ってくる期間と言われており、日本では古くから夏の時期の伝統行事として受け継がれています。
正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言い、お釈迦様の弟子である目連尊者が地獄に落ちてしまった母親を救うために、7月15日に多くの霊を供養したことが始まりとされているようです。
この弟子は、神通力によって亡くなった母親が苦しんでいることを知り、お釈迦様にどうしたら母親を救えるかを相談しました。すると、お釈迦様は「夏の終わりの7月15日(現在の8月中旬)に多くの人を供養すれば、苦しみから救われる」と伝えました。
そして弟子がその教えに従ったところ、弟子の母親が極楽往生を遂げることができたことから、盂蘭盆会という行事が生まれたとされています。
地域によって多少の違いはあるものの、お盆期間は毎年8月の第2週目から第3週目あたりが一般的で、2022年は8月13日~8月16日がお盆です。
お盆の風習と意味
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お盆期間には、迎えたご先祖様のご冥福をお祈りして供養する風習があります。さまざまな慣わしがあるので、一つずつ意味を見ていきましょう。
迎え火・送り火の意味
迎え火は盆の入りの日に行われ、送り火は盆明けに行われます。
迎え火には「道に迷わずに帰ってこれるように」といった意味が込められており、現世に帰ってくるときの目印にもなっています。一方、送り火には「無事にあの世に帰ることができるように」という意味があります。
盆提灯の意味
盆提灯とは、迎え火や送り火として使用する提灯です。
迎え火や送り火を灯すのと同様に、盆提灯を飾るのには「先祖の霊が迷わずに行き来できるように」といった意味があり、目印のような役割を果たしています。
一般的には、玄関や軒先のほか仏壇や盆棚などに飾られ、奇数ではなく一対や二対などセットで飾るのが慣習のようです。
きゅうりとなすをお供えする意味
きゅうりやなすは、先祖の霊があの世とこの世を行き来するときに使う乗り物としての役割があるようです。
一般的に、きゅうりで作った馬は精霊馬と呼ばれ、「馬に乗って早くこの世に帰ってきてほしい」などの願いが込められています。そして、なすで作った牛は精霊牛と呼ばれ、「牛に乗ってこの世を楽しみながらゆっくりと帰ってほしい」といった願いを込めて飾るようです。
盆踊りをする意味
盆踊りは、先祖の霊を盛大に送り出すための風習で、一般的にあの世へ戻る最後の夜に行われるようです。
もともとは、お盆の時期に帰ってきた先祖を供養する念仏踊りが始まりで、鎌倉時代に全国的に盆踊りが広まったとされています。そして徐々に民俗芸能の意味合いが強くなり、室町時代頃には太鼓を叩くなど、華やかな現代の形に近づいたと言われています。
盆踊りには本来、先祖の霊を供養する意味が込められていたのですね。
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お盆について子ども向けに説明する言い換え例
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お盆の由来や意味をふまえ、お盆とはどのような行事なのか、簡単な言葉を用いて子どもたちに説明してみましょう。
ここでは、子ども向けの簡単な言い換え例を紹介します。
「お盆はどんな日なの?」
「お盆は、ご先祖様にありがとうを伝える期間だよ。ご先祖様というのは、おじいちゃんやおばあちゃんのパパやママのことを言うんだよ。」
「お盆っていつなの?」
「2021年のお盆は8月13日から16日までだよ。(地域独自の時期があればそれを伝える)」
「お盆はどんなことをするの?」
「お盆はきゅうりを飾ってご先祖様が早く帰ってこれるようにお願いしたり、なすを飾ってゆっくりお見送りしたりするんだよ。」
「どうしてきゅうりやなすを飾るの?」
「きゅうりやなすは夏の野菜だから、昔はたくさん手に入ったんだって。そこで、きゅうりは細くて長いから馬、なすは太くて丸いから牛に見立てられるようになったんだよ。」
先祖、供養などの難しい言葉を聞いてもピンとこない子どももいるかもしれません。そのため、お盆の意味や由来を伝えるときは、子どもたちがイメージしやすいように簡単な言葉で説明することが大切です。
「ママやパパの家族にありがとうを伝えるんだよ」などとかみ砕いて説明すれば、子どもたちも理解しやすくなるでしょう。
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保育園でのお盆の過ごし方
子どもたちがお盆について理解を深めるために、保育園でどのように過ごしたらよいのでしょうか。ここでは、簡単に取り入れやすい、お盆にちなんだ保育園での過ごし方アイデアを紹介します。
暑中見舞いをかく
暑中見舞いとは、相手の健康を気遣ったり、こちらの安否を伝えたりするために送る挨拶状のことです。かつて、お盆期間にはお供え物を持参する習慣がありましたが、時代とともに簡素化されて、暑中見舞いとして手紙のやりとりをするようになったと言われています。
ちなみに、正式には7月7日~8月6日の期間に贈るものを「暑中見舞い」、8月7日~9月6日の期間に贈るものを「残暑見舞い」と呼ぶようです。
保育園でも暑中見舞いを作り、先生や保護者、友だちに送ってみてはいかがでしょうか。
夏らしいデザインのハンコといっしょにかき氷や風鈴などの涼しげなイラストがかいてあれば、もらった相手もよろこんでくれるかもしれませんね。
盆踊りをする
保育園で、子どもたちと盆踊りをしてみるのもよいでしょう。ダンボールにちょうちんやのれんなどの簡単な装飾をしてやぐらを作れば、園内が一気に盆踊り会場の雰囲気になりそうです。
ねじりはちまきを巻いたりはっぴを着たりと、盆踊りの装いをすれば準備完了。やぐらを囲んで輪になり、みんなで音楽をかけて踊りましょう。
盆踊りが演出する一体感に、子どもたちのテンションもあがりそうですね。
お供え物をする
お盆には、あの世とこの世を行き来する乗り物として、きゅうりで作った馬(精霊馬)やなすで作った牛(精霊牛)をお供えする風習があります。
そこで、保育園でもきゅうりやなすを飾ってお盆を過ごしてみましょう。
お供え物の意味は地域によって異なるものの、一般的にはきゅうりで作った馬やなすで作った牛には「早くこの世に帰ってきて、無事にあの世へ戻れますように」という願いが込められています。
きゅうりやなすに、短く切った4本の割り箸を刺せば精霊馬と精霊牛のできあがりです。作り方は簡単なので、遊びや工作の気分で子どもたちといっしょに作ってみましょう。
また、本物のなすやきゅうりを用意するのが難しければ、折り紙の製作遊びをして保育園に飾ってみてもよいですね。
関連動画:折り紙なすの折り方/保育士バンク!
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保育園でお盆の意味を伝え、子どもたちと夏の風習に親しもう
今回は、お盆の由来や意味とあわせて、子ども向けに説明する方法や保育園での過ごし方を紹介しました。
お盆とは、仏教の言い伝えを由来として生まれた日本の伝統行事で、一年に一度ご先祖様の霊が帰ってくる期間と言われています。
保育園で行事の意味を伝えるときは、簡単な言葉を用いて説明すると子どもたちが理解しやすいでしょう。また、暑中見舞いをかいたり盆踊りを踊ったりして、遊びのように楽しみながらお盆の風習に触れるのもよいかもしれません。
子どもたちがお盆に親しみをもてるよう、行事の伝え方や保育園での過ごし方を工夫してみてくださいね。
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