夜18時以降に対応した「夜間保育」をご存知ですか?日中に保育を行う保育士さんにとっては、延長型の夜間保育は身近かもしれませんが、夜間保育所というのはあまり馴染みがない方も多いかもしれません。近年では働き方も多様化しており、夜遅くまでお仕事をする方もいます。その中で夜間保育所は欠かせない存在になっています。今回のコラムでは、夜間保育所の特徴や、一般的な保育園との違い、仕事内容や給料について解説していきます。
夜間保育所とは?
そもそも、夜間保育所とはどういった施設のことをいうのでしょうか。
夜間保育所とは
夜間保育所とは、18時以降に対応した「夜間保育」を行う施設のことを言います。基本的には11時~22時まで開園している施設で、中には18時~22時の夜間のみ開園しているところもあります。
お昼から開いているところには認可園が多く、全国には約80カ所近くの施設があります。夜間のみ開園しているところは認可外施設が中心で、さらに日付を超えて預かる施設はベビーホテルとも呼ばれ、合わせて全国に約1800カ所程あります。一般的な保育園の数が全国に約3万園あることを考えると、数は少なく、かなり貴重な施設であることがわかります。
高まるニーズ、少ない施設数
飲食店や看護師、マスコミなど、夜間の仕事をする女性や、共働き夫婦の増加に伴い、夜間保育所に対する保護者のニーズは高まってきています。特に都市部では、前述した仕事に従事する人が多いことから、需要も高い傾向にあります。しかしながら、まだ夜間保育所の施設数は少なく、補助金支給の対象である認可園も夜間保育所全体の4%にとどまっており、高まるニーズに追いついていないのが現状です。
夜間保育所の特徴
勤務時間や仕事内容など、夜間保育所はどのような点で一般的な保育園と異なるのでしょうか。その特徴をみていきましょう。
定員数
定員は10~20名程度と、小規模であることがほとんどです。その日に登園する子どもが毎日異なるため、年齢別でクラスを分けることはせず、0歳児~就学前までの子どもたちを一緒に保育する園が多いようです。
開園時間
一般的な保育園の7時~18時の開園時間に対して、夜間保育所では基本的に11時~22時まで開園しています。夜間保育所での延長保育として、翌朝までや24時間体制で保育を行う施設もありますが、まだその数は多くはありません。
勤務時間
都市部の病院内保育所を例にあげると、7時半~21時の間で6~10時間勤務、18時~翌8時の勤務で1時間休憩+2時間仮眠という勤務体制をとっているようです。夜勤は週1回~月1回と、施設や職員の人数によって異なるでしょう。
仕事内容
日中の保育では遊びがメインなのに対して、夜間は食事や入浴、睡眠などのお世話が中心になります。勤務中に仮眠を取ることも夜間保育所ならではのことですね。それ以外は保育記録の記載やお迎え対応、装飾物の製作などは一般的な保育園の仕事とほぼ同じ内容です。
残業
突発的な一時預かりや、保護者のお迎えが予定より遅くなってしまったことなどによって、保育士の人数が足りなくなった場合に残業をすることもあります。ただ、そういった状況がなければ残業はあまり発生しないようです。製作物や事務作業に関しても、夜勤の勤務時間中に進められることが多いため、持ち帰り残業は比較的少ないでしょう。
給料
園にもよりますが、正職員の給料だとだいたい23~30万円程度のようです。早朝や深夜の勤務があるので、時給換算にした時に割増になったり、早朝手当や深夜手当が支給されたりするので、一般的な保育士より給与は高い傾向にあるでしょう。
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夜間保育所で働くには?
夜間保育所で働くには、どういった資質やスキルが必要なのでしょうか?
保育士資格があればOK
一般的な保育園で働くように、保育士資格があれば夜間保育所で働くことができます。そのため、夜間保育所で働くにあたって特別に必要な資格などはありません。
体力が必要
夜遅い時間や、深夜でもしっかり子どもの面倒を見れるだけの体力が必要になります。日中の保育で子どもと一緒に外で遊んだりという体力とは異なり、眠気に負けず、深夜でも保育に集中できる体力が必要になります。そのために、普段の生活を少し夜型にシフトするなどの工夫も必要になるかもしれません。
心のケアのスキル
夜間保育所では、保護者のお迎えがなかなか来ないと、不安で子どもが泣いてしまったり、就寝中でも不安で目が覚めてしまったりということも多いようです。また、日中に比べて友達と一緒に遊ぶ時間も少ないので、子どもたちの不安が大きくなりやすいことも。
そういった状況でも子どもたちを安心させてあげられれば、夜の時間を保護者と過ごせない環境でも、子どもたちは安心して夜間保育所での日々を過ごすことができるでしょう。
社会的な役割が大きい夜間保育所
女性の社会進出や、24時間営業店舗の普及など、世の中が便利な方向へと変化していく一方で、夜間保育所へのニーズは今後も高まっていくことが予想されます。保護者の大きな助けになるこの仕事は、社会的貢献度が高く、やりがいも大きく感じられるでしょう。保育を通してより社会に貢献したい、という方は夜間保育所で大きなやりがいを感じながら働いてみませんか。