障がい児の通所施設「放課後等デイサービス」。施設数・利用者数ともに増加傾向でより、需要が高まっています。今回は、放課後等デイサービスの目的や役割、2024年に検討されている変更などをわかりやすく解説します。また、放課後等デイサービスで働きたい方向けに、仕事内容や活動ネタ、やりがいなどをまとめました。
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目次
放課後等デイサービスの目的とは
放課後等デイサービスとは、小学生以上の学校に通う障がいのある子に対して支援を行なう福祉サービスです。
別名「障がいのある子どもの学童保育」とも呼ばれ、子どもたちにとって大切な居場所です。
対象は6歳〜18歳ですが、引き続き支援の必要性を認められた場合は20歳まで通所することができます。
放課後等デイサービスの目的は、以下の通りです。
【目的】
学校に通学する児童に対し、放課後や休日、夏休みなどの長期休みにおいて、生活能力の向上に必要な訓練を継続的に提供し、自立の促進や社会との交流の機会をもつサポートを行なう。
放課後等デイサービスは、障がいの子どもたちの生活や自立を援助するうえで重要な施設といえるでしょう。
また、今まではさまざまな施設形態をひとくくりに「放課後等デイサービス」と呼んでいましたが、2024年には「総合支援型」「特定プログラム特化型」の2類型化することが検討されています。
それぞれの目的は以下の通りです。
【総合支援型の目的】
運動や認知、コミュニケーションなど総合的に子どもの発達を支援する
【特定プログラム特化型】
個々の子どもたちの特性にあわせて理学・言語・作業療法士などによる専門性の高い支援を提供する
2類型化し、子どもたちがより専門的なサポートを受けられるように検討が進められていることから、施設形態の基準が変わる可能性もあります。
方針の変更内容については、引き続き政府の動向に注目する必要があるでしょう。
放課後等デイサービスの3つの役割
続いて、放課後等デイサービスの3つの役割を見ていきましょう。
子どもの最善の利益の保障
支援を必要とする子どもに対して一人ひとりの個性を大切にしながら状況に応じたサポートを行ないます。学校や家庭とは異なる時間や空間、人との関わりの中で健全な育成を図ります。
共生社会の実現に向けた後方支援
子どもの地域社会への参加を進め、集団の中での育ちをできるだけ保障します。放課後児童クラブや児童館との連携を図りながら、包括的なサポートを実施します。
保護者支援
子どもだけでなく、保護者からの相談などに応じ、連携しながら子どもの育ちを支える力をつけられるように支援を行ないます。
また、子どものケアを一時的に代行し、保護者の時間を保障するように努める必要があるでしょう。
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放課後等デイサービスの利用方法
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基本的に都道府県知事から身体障がい者手帳の交付を受けた6歳~18歳が対象になりますが、手帳がない場合も自治体から交付される受給者証があれば、利用対象となるようです。
放課後等デイサービスの利用方法は以下の通りです。
<利用方法>
1.お住まいの役所に対して施設の利用や手続き方法などを相談します。通所に必要な受給者証の申請を行なうとスムーズに手続きが進むようです。
2.施設の見学・面談などを実施し、利用の申込を行ないます。
3.施設側と子どもの個別支援計画を立てます。
4.受給者証を受け取り、利用を開始します。
受給者証の手続きは時間がかかる場合もあるため、早めに申請したほうがよいでしょう。
自治体によって手順や申請方法が異なる可能性があるため、まずは役所に相談するとよさそうです。
放課後等デイサービスの料金
利用者の負担額は自治体によって定められています。
受給者証があれば、利用料金の9割が自治体負担となり、1割が自己負担です。
利用者の月額の負担上限は世帯収入によって異なります。
生活保護世帯/区市町村民税非課税世帯:0円
区市町村民税課税世帯(合計所得割28万円未満):4600円
上記以外:37,200円
施設によって費用が異なりますが、一日の負担額は1000円前後のようです。
おやつや野外活動費などは別途かかるケースがあります。
放課後等デイサービスの人員配置基準
職員の人員配置基準は以下の通りです。
児童発達支援管理責任者:1名以上配置
児童指導員又は保育士:障がい児10名までは2名以上を配置
管理者
自治体によって配置基準が異なる可能性があります。
放課後等デイサービスと児童発達支援施設の違い
放課後等デイサービスの他に障がい児が通う通所施設には、児童発達支援施設があります。
放課後等デイサービスとの大きな違いは子どもの対象年齢です。
放課後等デイサービスに通う子どもが6歳〜18歳※であるのに対して、児童発達支援施設は0歳〜6歳までの未就学児が対象となります。※必要に応じて20歳まで通所可能
どちらも子どもの日常生活に必要な能力を訓練する場としては共通の目的があり、障がい児の支援をするうえで、大切な施設となります。
放課後等デイサービスで働くための資格
放課後等デイサービスは年々事業者数も利用者数も増加傾向にあり、需要が高まっています。
中には「障がいのある子の自立を支えたい」「保護者の方と子どもの育ちを見守っていきたい」といった理由から放課後等デイサービスで働きたいと考える方もいるでしょう。
放課後等デイサービスで働くためには、基本的には以下の資格が必要です。
施設ではこの他に事業所の責任者として「管理者」を配置する必要がありますが、管理者自体に必要な資格はないようです。
ただ、施設の責任者として運営やスタッフの管理などを行うことから、一定の実務経験が求められる場合もあります。
中には無資格者や未経験者を募集する場合もありますが、上記の資格を取得した方は就職・転職する際に優先的に採用される可能性が高いでしょう。
放課後等デイサービスの仕事内容
まずは放課後等デイサービスで勤務する際の一般的な仕事内容を紹介します。
- 個別支援計画/プログラムの作成
- 集団の活動計画/行事の企画作成
- サービスの提供記録の作成
- 保護者との相談/面談
- 学校や自宅からの送迎
- 施設の清掃/設備点検/管理
上記のように放課後等デイサービスの職員は多様な業務を行ないます。職員は子どもたちの自立や成長をサポートする重要な役割を担います。
放課後等デイサービスおける支援内容~活動ネタ~
放課後等デイサービスでの詳しい支援内容と活動ネタを紹介します。
自立した日常生活に向けて必要な訓練を支援する
子どもの障がいの特性に合わせて個別にプログラムを立案し、日常生活の中で必要な訓練のサポートをします。
【活動ネタ】
- バランスボールなどを使って運動機能の向上を図る
- 宝探しや買い物ごっこ遊びを通して人とのコミュニケーションをとる
- 大・中・小の箸を用意し、指先を使ってものをつかむ練習を行なう
保護者の方といっしょに子どもの動作を確認し、家庭での支援についてアドバイスすることもあるでしょう。
創作活動をサポートする
創作活動を通して表現するよろこびや楽しさを味わえるように援助します。
【活動ネタ】
- 指編みや粘土遊びを楽しみ、創造力や集中力を養う
- おもちゃを手作りして達成感を味わう
- しゃぼん玉で絵を描き、感性を育てる
子どもと創作活動を共に楽しみ、自らアイデアを出せるように見守ることも必要でしょう。
一人ひとりの個性が表れるため、特性を把握しながら次の活動を提案することも大切な仕事となるでしょう。
地域交流に向けて企画・運営する
行事を開催し、子どもが地域の方々とふれ合えるように交流の場を設けます。
【活動ネタ】
- 地域の方々との交流会
- バザーや夏祭りの開催
- 老人ホームや近隣のお店訪問
子どもたち自身がイベントの主催者としても活動できるようにサポートするというケースもあるようです。
この他にも子ども同士が円滑にコミュニケーションを取れるようなサポートや学習支援など、さまざまな支援を行ないます。
放課後等デイサービスで働くやりがい
放課後等デイサービスは、障がい児やその成長を見守る保護者にとって大切な施設です。
子どもが楽しくプログラムに参加する姿が見られたり、保護者の方から感謝の言葉を伝えられたりと、やりがいを感じられる場面が多いかもしれません。
6歳~18歳とさまざまな年齢の子と関わりながら、専門知識を身につけ、経験を積むことができるでしょう。
また、放課後等デイサービスは、利用者の増加やより専門的なサービスの提供などに向けて、施設形態の変化などが検討されています。
就職・転職を希望する方は、まず求人票の募集要項を確認することが大切です。
放課後等デイサービスで働いてみたいという方は一度保育士バンクにご相談ください。
児童発達支援管理責任者の資格を取得された方は「月給38万円スタート」といった好待遇の求人もあります!「週3日からOK」などのパート求人も紹介できますので、お気軽にご相談くださいね。
出典:児童発達支援・放課後等デイサービスの主な検討事項(案)/厚生労働省
出典:児童発達支援・放課後等デイサービスの現状等について/厚生労働省
放課後等デイサービスの目的を知り、転職・就職を検討しよう
放課後等デイサービスは、障がいのある子どもや家庭を支援する大切な施設です。
これからも需要が高くなることが見込まれており、保育士や放課後児童員、児童発達支援管理者などの資格をお持ちの方の活躍が期待されています。
「放課後等デイサービスで働いてみたい」という方は、まずはどのような求人があるのかチェックしてみましょう。
保育士バンクでは、新設された施設や次年度の職員募集などさまざまな求人を取り扱っていますのでお問い合わせをお待ちしています。
ほかにも、保育士から転職しやすい異業種として病院内保育や企業内保育所、託児所などの求人も取り扱っていますので、興味のある方は以下の記事をご覧ください。
また、子どもと関われる仕事は他にもたくさんあります。どのような仕事があるか詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてくださいね。