病児保育とは、保護者の代わりに病気の子どもを預かる保育サービスのことを言います。一般的に、風邪による発熱などで保育施設や学校に通えない子どもを持つ保護者が利用します。今回は、そんな病児保育の概要を詳しく解説します。さらに混同されがちな病児後保育との違いも解説しますので、病児保育について知りたいという方は参考にしてくださいね。また、給与事情や働くメリットも確認しておきましょう。
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目次
病児保育とは
病児保育とは、仕事の都合などで病気の子どもの看病を行なえない保護者に代わって一時的に子どもを預かり、医師が常駐する施設にて看護する保育サービスです。
病院や病児対応が可能な保育所などで病気の子どもを一時的に預かることで、安心して子育てできる環境を整えることを目的としています。
病児保育を利用できる子どもの年齢
病児保育を利用できる年齢は、大体0歳から小学6年生までの子どもを対象としているところが多いです。
ただ、就学前の子どもや小学3年生までの子どもと定めているところもあるようなので、利用できる年齢は自治体や施設によって異なることを理解しておいたほうがよいでしょう。
病児保育と病児後保育との違い
病児保育が病気の子どもを預かってくれる保育サービスであるのに対し、病後児保育は病気から治りかけている回復途中にある子どもを預かってくれる保育サービスです。
このことから、病児保育と病児後保育は預かる子どもの病気の状態に違いがあるということがわかります。
病児保育は大きく分けて3つの事業に分類される
病児保育といっても、事業によって細かいサービスの内容は異なります。ここでは、それぞれの事業がどのようなものなのかを確認しておきましょう。
病児対応型・病後児対応型
病児対応型保育は、症状が急変することはないものの、まだ回復期に至っていないために集団保育が困難である子どもを専用のスペースで一時的に預かる保育です。
一方、病後児対応型は病気の回復期ではあるものの、集団保育が困難である子どもを専用スペースで一時的に預かる保育が該当します。
体調不良児対応型
体調不良児対応型保育は、保育所などで保育中の子どもが体調不良になった場合に一時的に預かるものです。たとえば、保育園の医務室など子どもの安全が確保されているスペースで保育を行ないます。
また、保育所に通う子どもに対する保健的な対応および地域の子育て家庭への相談支援も実施するのが特徴です。
非施設型(訪問型)
保育士さんや看護婦さんが病児保育サービスを利用する家庭に訪問し、マンツーマンで保育を行なうサービスです。
対応するのが保育士さんの場合、医療行為をすることはないため、基本的には子どもの様子を見ることがメインの業務となります。
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病児保育の配置基準・実施場所
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病児保育事業を行なう場合、以下の人員配置と場所の基準が設けられています。
人員配置
病児対応型・病後児対応型の場合の国が定めた配置基準は以下のとおりです。
- 看護師等:1名以上(利用児童おおむね10人につき)
- 保育士:1名以上(利用児童おおむね3人につき)
体調不良児対応型の場合は「看護師等2名以上」とし、預かる子どもの数は看護師1名に対して2人程度としています。
実施場所
病児対応型・病後児対応型の場合は病院・診療所、保育所等に併設された専用スペースや専用施設であり、なおかつ以下のような基準を満たさなければなりません。
- 保育室および児童の静養または隔離の機能を持つ観察室、安静室を有すること
- 調理室を有すること(ただし本体施設と兼用可能)
- 事故防止および衛生面に配慮されている児童の養育に適した場所であること
また、体調不良児対応型の実施場所は保育所の医務室、余裕スペースなどで衛生面に配慮され、対象児童の安静が確保されている場所と定められています。
病児保育士の仕事内容
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病児保育士は、子どもが病気にかかっている間も楽しく過ごすことができ、なおかつ病気を悪化させないように丁寧にケアすることが主な役割となるでしょう。
仕事内容としては、静かな遊びを中心とした保育をしつつ、検温や経過観察を行ないます。また、病院への通院の付き添い、保育施設へのお迎えの対応をすることもあるようです。
いずれにしても子どもの様子をしっかりと観察し、細やかに気を配って保育が必要となります。保護者の方と緊密なコミュニケーションや引き継ぎをして、子どもの快復に向けてサポートすることが求められるでしょう。
病児保育士として活躍できる職場はどんなところ?
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病児保育士として活躍できる職場には、以下のような施設があります。
- 病児保育専門施設
- 医療施設併設施設
- 保育所併設施設
- 後児対応施設
- 家庭内(訪問型)
訪問型の家庭内以外は、いずれも病気の子どもを預かるための施設です。なお、施設によって対応可能としている病状の基準に違いがあることも覚えておくようにしましょう。
病児保育士の給料はいくら?
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病児保育士の給与は地域や保育施設の規模によって異なりますが、基本的には保育士の平均給料とそれほど差はありませんでした。
保育士バンク!の病児保育士を募集する求人を確認してみると、正社員として働く場合の給与は約20~30万円前後、アルバイトやパートとして働く場合の時給は1100~1500円程度が相場となっているところが多いようです。
なお、施設によっては経験や資格に応じて手当がつくところもあるようなので、病児保育の求人を探す場合は複数の求人をしっかりと見比べることが大切です。
病児保育の求人を紹介してもらう
病児保育士として働くには保育士や看護師の資格が必要
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病児保育を行なう施設で病児保育士として働くには、保育士もしくは看護師の資格を持っている必要があります。
ただ、非施設型(訪問型)の病児保育の場合、資格がなくとも研修を受けることで勤務できるケースがあるそうです。
また、病児保育士向けの民間の資格もいくつか用意されています。これらの資格を取得することで病児保育に関する知識やスキルを持っていることを証明できるので、取得しておいてもいいかもしれません。
病児保育士として働くメリット
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ここでは、病児保育士として働くメリットを紹介します。
保護者の手助けができる
病児保育士は病気にかかった子どもを預けられない保護者の方をサポートすることができるため、感謝される場面が多いでしょう。
さらに、子どもが元気になる姿を見届けられることで病児保育ならではのやりがいを感じることができそうです。
近い距離で子どもと関わることができる
施設型の病児保育は一度に預かる子どもの人数が少ないため、一人ひとりの子どもとゆっくり関わることができそうです。
また、訪問型の病児保育もマンツーマンで対応することになるため、子どものペースに合わせて看護・保育ができます。
専門性が身につく
病児保育士は主に病気の子どもと寄り添うため、専門的なスキルが身につくでしょう。
基本的に毎日違う子どもや保護者の方と関わることになるため、親子ひろばや子育て支援に近い経験も積むことも可能だそうです。こうした経験を積むことで、転職時も即戦力として活躍できるでしょう。
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保育士の資格を活かせる病児保育士として働いてみよう
病児保育は風邪などの病気にかかった子どもの預け先に困っている保護者の助けとなる保育サービスのひとつです。子どもとじっくり関わる場面も多いので、やりがいを感じられるでしょう。
病児保育士になるために、保育士や看護師の資格以外に必要な資格はありませんが、民間の資格を取得しておくと病児保育に関する知識とスキルを持っていることをアピールできます。
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