1歳児が思いきり体を動かせるマット遊びには、寝転がったりハイハイをしたりとさまざまな遊び方があります。室内で遊べるため、雨の日や冬の寒い日にもぴったりでしょう。今回は、1歳児のマット遊びのねらいとアイデアを紹介します。身体を動かす運動遊びと、感触を楽しむマットのおもちゃとジャンル別にまとめました。
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目次
1歳児にとってのマット遊びとは?
ハイハイをしたり、山を作って登ったりとマット遊びにはいろいろな楽しみ方があります。
やわらかい素材なので安心して遊ぶことができるうえ、室内でも運動遊びを楽しめるため、1歳児クラスでも取り入れやすい室内遊びと言えるでしょう。
慣れてきたら、サーキット遊びのコーナーのひとつとして展開するのもよいですね。
1歳児におけるマット遊びには、以下のねらいが挙げられそうです。
- マットの感触を味わいながら遊ぶ
- マット遊びを通してのびのびと全身を動かすことを楽しむ
- 保育士さんや友だちと遊びの楽しさを共有する
このようにマットの感触を楽しみながら、自由に身体を動かして遊ぶことができるとよいですね。
1歳児はまだ月齢による発達差が大きい時期であるようです。
クラスの子どもたちの様子に合わせてねらいや活動内容を調整しましょう。
1歳児が楽しめるマット遊びのアイデア:身体を動かす遊び
1歳児の子どもたちがのびのびと身体を動かして楽しめる、マットを使った運動遊びを紹介します。
いもむしコロコロ
マットの上をいもむしのように寝転がって楽しむ、芋虫コロコロのマット遊びをやってみましょう。
用意するもの
- 運動用マット
遊び方
1.保育士さんはゴールの目印としてマットの端に立ちます。
2.子どもは、(1)の反対側から順番にいもむしになりきって転がります。
3.(1)の保育士さんのところまで転がったらゴールです。
4.(2)~(3)を繰り返して遊びます。
ポイント
遊び方が伝わるよう、まずは保育士さんがいもむしになりきって転がってみましょう。
寝返りを打つようにコロコロと横向きに転がる動きは、全身を使って楽しめるうえ、子どもの体幹を養うことにもつながりそうです。
ゴールに立っている保育士さんは、子どもの目印となるように手を振ったり「こっちだよ」と声をかけたりするとよいでしょう。
ゴールしたら、「いもむしからちょうちょになったよ」とポーズをとっても楽しいかもしれませんね。
山登り
マットで作った山を登り下りして山登りをしてみましょう。
用意するもの
- 運動用マット
- 跳び箱
跳び箱の上にマットをかけて山を作ります。
マットを丸めて跳び箱の代わりにしてもよいでしょう。
遊び方
1.ハイハイで山を登ったり下りたりします。
2.慣れてきたら立って登り下りしてみましょう。
ポイント
サーキットにも取り入れられそうな、山登り遊びです。まずは低い山を作って、山を登ることに慣れられるとよいですね。
保育士さんは登っている子どもの側について、転んだときすぐに支えられるようにしましょう。
立って登れるようになったら、山のてっぺんで「ヤッホー」とかけ声をしてから下りるようにしても遊びが盛り上がるかもしれません。
トンネルくぐり
フープとマットで作ったトンネルを、ハイハイでくぐって遊んでみましょう。
用意するもの
- 運動用マット(薄手のもの)
- フープ 4~6個
- タンバリン
マットを敷いておき、マットを少し丸めてフープを通していきます。
するとフープが縦に立ったまま固定されるので、間隔を空けてフープを通し、トンネルを作ります。
遊び方
1.全員で進行方向の約束を確認し、入口に集まります。
2.順番にハイハイでトンネルをくぐって遊びます。
3.ゴールにいる保育士さんは、出口がわかるようにタンバリンを叩いて子どもを呼びましょう。
4.何度もくぐって遊びます。
ポイント
これもサーキットのひとつとして楽しめそうな運動遊びです。
ゴールにいる保育士さんは、子どもの興味を惹けるようタンバリンを鳴らし、ゴールしたらタッチしてもらうようにするとよさそうですね。
この遊び方では、フープが気になって触る子や、ゴールではなくフープの間から抜け出そうとする子もいるでしょう。
ある程度自由に遊んでもらえば、子どもの興味も満たされるかもしれません。
その際は危険がないよう、必ず子どもの側について見守るようにしてくださいね。
でこぼこマット
でこぼことしたマットの上を歩いてバランス感覚を養う遊びを紹介します。
用意するもの
- 運動用マット(厚手)
- クッション
- タオル 数枚
マットの下にタオルやクッションなどを入れてでこぼこしたマットを作ります。
他にも布団や薄手のマットなど、園にあるもので工夫してみてくださいね。
遊び方
1.でこぼこのマットの上に自由にのって遊びます。
2.寝転がったり、歩いたりして感触を楽しみましょう。
ポイント
普通の山登りやマット遊びに慣れたら取り入れてみましょう。
でこぼこマットでは、子どもたちが突然転んでしまうこともあるため、保育士さんは注意して見守ることが大切です。
マットの下に、卵パックなど踏んだら音がある素材を隠しておいても楽しいかもしれません。
だいこんぬき
寝転がった子どもをだいこんに見立てて、保育士さんが引っ張って遊んでみましょう。
用意するもの
- 運動用マット
遊び方
1.子どもたちはマットに寝転がります。
2.保育士さんが順番に子どもたちの足を持って抜くふりをします。
3.「うんとこしょ」「どっこいしょ」とやりとりを楽しみましょう。
ポイント
保育士さんとふれあいを楽しみながら見立てを楽しめる運動遊びです。
引っ張ったあとは「抜けるよ、すぽーん」と声をかけて抱き上げるのも楽しそうですね。
高月齢になると、子どもたち同士でもだいこん抜きを楽しむ姿が見られるかもしれません。
子どもたちがやりとりを楽しめるように声をかけながら、危険のないよう見守っていきましょう。
お引越しゲーム
色マットを使って、保育士さんが言った色のところまで移動するお引越しゲームです。
用意するもの
- カラー運動用マット(3色)
マットは距離を空けて三角形に配置しておきます。
遊び方
1.まずはマットの真ん中に集まります。
2.保育士さんは「○○色のマットに集まれー!」と合図を出します。
3.指示通りのカラーマットに移動してのります。
4.(2)~(3)を繰り返して遊びます。
ポイント
子どもたちの月齢が高くなり、色に興味を持ち始めたら、簡単なルールのある遊びに挑戦してみましょう。
合図の意味がわかっていない子どもも楽しめるように、保育士さんが「こっちだよ」とさりげなく促すとよいかもしれません。
この遊びでは、正しい色に移動することよりも、合図に合わせてみんなで移動することを楽しむといったねらいを立てるとよさそうです。
危険のないように、広いスペースのある場所で実践してみてくださいね。
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1歳児が楽しめるマット遊びのアイデア:感触を楽しむ手作りおもちゃ
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1歳児の子どもたちがさまざまな感触を味わえる、感触マットの作り方や遊び方を紹介します。
風船マット
子どもがのっても割れない、不思議な風船マットを作ってみましょう。
用意するもの
- 布団圧縮袋
- 風船 20個ほど
- 掃除機
作り方
1.風船を膨らませて布団圧縮袋に入れます。
2.圧縮袋がいっぱいになったら、掃除機で空気を抜きます。
3.圧縮袋の口をしっかりと閉めたらできあがりです。
ポイント
普通の風船は子どもがのったら割れてしまいますが、圧縮することで体重をかけても割れないマットを作ることができます。
場所の取り合いにならないように、人数に合わせてマットを作っておくとよいでしょう。
数日すると風船がしぼんだり、圧縮袋に空気が入ったりしますが、風船を取り替えて再び掃除機で吸えば繰り返し使えるようです。
ウォーターマット
冷たい水の感触が心地よい、濡れずに遊べるウォーターマットの作り方を紹介します。
用意するもの
- 布団圧縮袋(逆止弁つきでないもの)
- 水
- ガムテープ
- 水風船
- スーパーボール
- スポンジ
作り方
1.水風船に水を入れて膨らませます。
2.布団圧縮袋の中に(1)の水風船やスポンジ、スーパーボールを入れます。
3.布団圧縮袋の口を少し開けたまま残りの部分を閉め、ガムテープで固定します。
4.(1)の口からホースを差し込み、マットの厚さが5cmほどになるよう水を入れます。
空気を逃がしながら入れていくとよいでしょう。
5.口をふさぎ、ガムテープで補強してできあがりです。
ポイント
濡れることなく水の感触を楽しめるウォーターマットで遊んでみましょう。
水遊びの準備段階として取り入れてもよさそうです。
水風船やスポンジを入れればマットの上から触って感触を楽しむこともできます。
子どもの興味に合わせて取り入れてみてくださいね。
感触マット
子どもが足で踏んで感触を楽しめるマットを作って遊んでみましょう。
用意するもの
- ジョイントマット 数枚
- 人工芝
- 卵パック
- コットンボール
- ペットボトルキャップ
- 接着剤
作り方
1.ジョイントマットに人工芝や卵パックなど、感触のよいものを貼りつけていきます。
2.乾かしたらできあがりです。
ポイント
子どもの足裏の感覚を刺激する感触マットです。
ジョイントマットを好きなようにつなげて遊んでみましょう。
コットンボールやペットボトルキャップなどは、子どもがはがしてしまうと誤飲の危険があります。
強力に貼りつけるか、子どもが口に入れる月齢を過ぎてから取り入れるようにするとよいですね。
関連記事:保育活動で楽しめる圧縮袋を使った遊びアイデア。風船マットや色水のウォーターベッドなど/保育士バンク!
1歳児でマット遊びをするときに配慮すること
1歳児の子どもたちとマット遊びをするときに注意するポイントをまとめました。
広い空間を用意し、周囲にあるものを片づけておく
マット遊びをする前に、充分なスペースを用意することや周囲にあるものを片づけておくことで、けがの防止につながります。
また、保育室の床が滑りやすい素材の場合は、マットの下に滑り止めシートを敷いておくなどの配慮も大切ですね。
子ども同士がぶつかったりトラブルになったりしないよう見守る
マット遊びでは、のびのびと身体を動かして遊ぶことができます。
しかし、1歳児の子どもたちは解放感を感じて走り回ってしまうかもしれません。
また、子どもがマットの上にのっているときに噛みつきや押し合いなどのトラブルにつながるおそれもあります。
事前に走らないことや友だちを押さないことを約束しておくとともに、保育士さんがすぐに止めに入れるよう職員の配置を工夫しておきましょう。
水分補給をしながら、子どもの体調に合わせて実施する
身体を動かすマット遊びでは、子どもたちが夢中になって遊ぶうちにすっかり汗をかいてしまうかもしれません。
適切なタイミングで水分補給を行えるよう、保育士さん同士で連携して活動できるとよいでしょう。
また、けがをしている子どもや風邪を引いている子どもがいる場合も、激しい身体の動きをすると症状を悪化させる可能性もあるので、マット遊びは避けておいたほうがよさそうです。
以上のことに気をつけて1歳児クラスでマット遊びを実践してみてくださいね。
1歳児向けのマット遊びのアイデアを知って、室内でも運動遊びを楽しもう
今回は、1歳児が楽しめるマット遊びのねらいやアイデアを紹介しました。
やわらかくて安全に遊べるマット遊びは、寝転んだり、ハイハイしたりできるだけでなく、運動遊びとしてサーキットのコーナーに配置できるのも特徴です。
山登りやトンネルなどの他にも、だいこんぬきやお引越しゲームなど幅広い遊び方ができるでしょう。
また、圧縮袋などを活用すれば感触遊びを楽しめるマットのおもちゃを手作りすることもできます。
保育士さんの発想を活かして、不思議な感触のマットを作ってみてくださいね。
コラムを参考に、1歳児クラスの室内遊びにマット遊びを取り入れてみましょう。