活動の導入などに行う手遊びは、子どもの注意を惹きたいときに活躍するでしょう。幼児クラスの子どもは、リズムに合わせて身体を動かしたり、歌の意味を理解したりしながら手遊びを楽しむようになるかもしれません。今回は、幼児向けの手遊びについて、人気のネタやユーモアのあるアイデアを春夏秋冬の季節別に紹介します。
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目次
幼児クラスにとっての手遊びとは
活動の導入や子どもたちの意識を向けたいときなどに、手遊びや歌遊びは活躍するでしょう。
幼児クラスの子どもたちにとっての手遊びは、どのようなねらいや効果があるのでしょうか。
手遊びのねらい
幼児の手遊びには、以下のようなねらいが挙げられるようです。
- 身体を動かすことで、リズム感覚を養う
- 歌を歌いながら季節や行事の文化にふれる
- 友だちとのスキンシップやコミュニケーションを楽しむ
手遊びには、子どもたちが身近な歌や言葉にふれることで、音楽的な感性や社会性を育むねらいがあると言えそうですね。
また上記以外にも、音楽にあわせて手や指を動かすことで想像力を養うといったねらいもあるでしょう。
手遊びによって得られる効果
手遊びをすることで、子どもたちにとってさまざまないい効果があると言われています。
たとえば、リズムに乗って全身を動かせるアイデアを取り入れることで、全身の反射機能やリズム感覚などが養われるようです。
また、歌にいくつかの登場人物がでてきたり繰り返しの言葉があったりすることで、記憶力を高めることにもつながるでしょう。
このように手遊び歌は、身体機能だけでなく思考力や想像力といった、脳の発達も促す効果があると言えそうですね。
幼児クラスに手遊びを取り入れるときのポイント
幼児クラスの子どもたちに向けて、手遊びをするときに先生が意識するといいポイントを紹介します。
優しい声で表情豊かに歌う
先生は、子どもたちに話しかけるように明るく優しい口調で歌いましょう。
また、表情を豊かにし、笑顔で手遊びをするとよさそうです。
先生が笑顔で明るく歌を歌っていると、子どもたちもその姿をまねて元気よく楽しんでくれるかもしれません。
また、歌の内容にあわせて笑ったり悲しんだり怒ったりと顔を変えることで、子どもたちはいろいろな表情の先生を見て喜んでくれそうですね。
先生もいっしょに楽しむ
子どもたちといっしょに先生も手遊び歌を楽しみましょう。
先生自身が楽しそうではないと、子どもたちも楽しめなくなってしまうかもしれません。
先生が心から楽しんでいる姿を見せることで、子どもたちの興味や好奇心を惹きつけやすくなりそうですね。
手遊び歌を盛り上げるためにも、先生がどのように歌っているのかというのは大切なポイントとなるでしょう。
子どもののびのびとした表現を大切にする
手遊びや歌遊びをするときは、音楽にあわせて自由に動いたり歌ったりすることで生まれる、子どもたちならではの表現を大事にするとよさそうです。
動きや歌詞を完璧に覚える必要はないので、子どもが振付を間違えていても、手遊びにあわせて楽しんでいる姿を大切にしましょう。
その子なりの動きなどを尊重すれば、子どもの表現力を養うきっかけにもつながりそうですね。
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【春】幼児クラス向けの手遊び
春の時期に幼児クラスの子どもが楽しめる手遊び歌を紹介します。
キャベツのなかから
「キャベツのなかから」は、気温が暖かくなってくる春の季節にぴったりな手遊び歌といえるでしょう。
ゆったりとしたリズムで動きも簡単なため、すぐに覚えられるかもしれません。
歌の最後にはあおむしがちょうちょになって羽ばたくため、子どもたちは、あおむしが大きくなるとちょうちょに変化するということを学ぶことができそうですね。
おおきくなったらなんになる
「おおきくなったらなんになる」は、指で数字を表しながら、いろいろな職業を紹介していく手遊び歌です。3月の年度末や4月の新学期に、子どもたちと将来の話をする場面で活躍しそうですね。
職業の部分を子どもたちの好きな職業に変えてみても楽しいかもしれません。
たとえば、2の指でお寿司屋さん、5の指でピアニストなどにアレンジすることができますよ。
くいしんぼうゴリラ
食事の前や春の遠足にもぴったりな「くいしんぼうゴリラ」の手遊び歌は、子どもたちにも人気かもしれません。
ゴリラの真似をして大きく身体を動かせば、子どもたちもおもしろいと感じてくれるでしょう。
演じるときのコツとして、食べ物によって表情を変化させてみるとよいですね
みかんやりんごなど、皮をむいて食べる食べ物を登場させてアレンジしてみるのもいいでしょう。子どもたちがどんな表情を見せてくれるのか楽しみですね。
線路は続くよどこまでも
「線路は続くよどこまでも」は、子どもにも大人にも人気で、簡単にできる手遊びの一つですよね。
リズムに合わせて手やひざを叩いたり重ねたりするため、子どもたちのリズム感覚を養うことにもつながりそうです。
繰り返しの振付に慣れてきたら、音楽のスピードを早めて少し難易度を上げてみてもおもしろいかもしれませんね。
【夏】幼児クラス向けの手遊び
夏の時期に幼児クラスの子どもたちが楽しめる手遊びを紹介します。
かみなりどんがやってきた
室内遊びが多くなりがちな梅雨の時期にぴったりな手遊びが「かみなりどんがやってきた」です。
身体のいろいろなところを隠して、かみなりどんから取られないようにするのでゲーム感覚で楽しむことができるでしょう。
1つずつ隠す場所が増えていくので、だんだん難しくなっていくにつれて、子どもたちも盛り上がってくれるかもしれません。
梅雨以外にも、夏から秋にかけての台風が増える時期などにも楽しめそうですね。
はじまるよ【夏バージョン】
活動を始めたいときなどによく使われる「はじまるよ」を夏らしくアレンジした手遊び歌です。
水鉄砲や流れ星、花火などの夏らしいものを歌詞に入れることで、子どもたちは手遊び歌を通して夏のモチーフにふれることができるでしょう。
夏祭りや水遊びなど、夏の行事や活動の導入にも役立ちそうですね。
パン屋に5つのメロンパン
パン屋さんに子どもが1人ずつやってきて、5つのメロンパンを順番に買っていくという手遊びです。簡単な数字の勉強にもなりますね。
おばあさんに声をかけるときは、登場人物の子どもの目線になって斜め上を向きながら演じるようにすると、子どもたちはどんな風にお買い物をしているのか想像しやすくなりそうです。
フルーツパフェ
フルーツの名前を言いながら指で数字を表して、最後にはパフェを完成させるという手遊びです。さまざまなフルーツが登場するため、子どもたちに人気かもしれません。
指を動かすのが早い部分もあるので、最初はゆっくり歌うようにし、動きに慣れてきたら通常のペースで歌うといいでしょう。
子どもたちに好きなフルーツを教えてもらい、オリジナルパフェを作ってみてもおもしろいかもしれませんね。
【秋】幼児クラス向けの手遊び
秋の時期に幼児クラスの子どもたちが楽しめる手遊びを紹介します。
やきいもグーチーパー
10月になると芋掘り遠足に出かける保育園も多いのではないでしょうか。
子どもたちの興味やワクワク感を高めたい秋の季節にぴったりなのが「やきいもグーチーパー」です。
じゃんけんの要素を取り入れているので、ゲーム感覚で友だちと楽しむこともできるでしょう。
また、これからじゃんけんゲームをしたいときの導入などにも役立ちそうですね。
おべんとうばこ
秋の遠足時期の定番「おべんとうばこ」は、子どもたちに人気の手遊び歌かもしれません。
歌に合わせておかずを紹介しているので、子どもが日本のお弁当の文化を学ぶきっかけにもなるでしょう。
また、手で2や3などの数字を表現している部分の歌詞を、「肉団子さん」「さかなさん」など、数字の言葉から始まる子どもたちの好きな食べ物にアレンジしてみても盛り上がりそうですね。
おちゃらかほい
おちゃらかほいは、昔から伝わるわらべ歌の歌遊びです。
2人1組で遊ぶため、友だちとのコミュニケーションが活発になりそうですね。
じゃんけん遊びがベースとなっているためゲーム性もあり、子どもたちも盛り上がるでしょう。
また、敬老の日の行事などで、お年寄りの方々と交流するときにもぴったりの歌遊びかもしれません。
キャンプだホイ
「行楽の秋」という言葉にあるように、秋はキャンプのシーズンでもありますよね。
そんな、涼しくなってきた季節の外遊びや遠足のときなどにぴったりなのが「キャンプだホイ」。
ホイという掛け声にあわせてハイタッチのように手を合わせる動きがあるので、友だち同士で向かい合って楽しむことができるでしょう。
また、「今日から友だち」という歌詞の部分から、友だちと手をつないだり握手をしたりして、動きをアレンジすることもできますよ。
【冬】幼児クラス向けの手遊び
冬の時期に幼児クラスの子どもたちが楽しめる手遊びを紹介します。
ごんべさん
風邪を引きやすくなる冬の時期には、「ごんべさん」を歌ってみましょう。
「くしゅん」「あちち」という擬音語が出てくるので、子どもたちは風邪を引くとどんな症状が出るのか理解しやすくなりそうです。
また、しっぷを貼る部分を、マスクをしたり薬を飲んだりといった歌詞にアレンジすると、「咳が出たらマスクをするんだ」という気付きにつながるかもしれません。
「きちんと手洗いやうがいをして、風邪を引かないようにしようね」とお話するときの導入にぴったりですね。
奈良の大仏さん
「奈良の大仏さん」は、5羽の小さいスズメが、大きな大仏にとまったらどんな風に感じるのかを表現した手遊び歌です。
歌詞に「1わめの」「2わめの」といったフレーズが出てくるので、歌を通してスズメは1羽、2羽と数えるということも学ぶことができるでしょう。
スズメがとまる身体のパーツをほっぺや肩などにアレンジして、スズメはどんな風に感じるのか子どもたちに想像してもらうのもおもしろいかもしれませんね。
いとまきまき【クリスマスバージョン】
「いとまきまき」は動きやメロディもシンプルなので、子どもに人気の手遊び歌の一つかもしれません。
幼児クラスの子どもであれば、腕をくるくると回す動きもスムーズにできるでしょう。
そんな、いとまきまきの歌詞をクリスマスバージョンにアレンジしてみてはいかがでしょうか。
できあがるものは「サンタさんのお洋服」や「プレゼントを入れる靴下」など、クリスマスに関連するものにしてみましょう。
また、子どもたちにアイデアを出してもらえば、想像力を働かせることにもつながりそうですね。
サンタさんがやってくる
「トントントン」というリズミカルな歌詞が楽しめる手遊び歌です。
ベルやトナカイ、そりなどのモチーフが歌詞に登場するので、子どもたちがクリスマス文化に親しみを持つきっかけになるかもしれませんね。
12月に入り、子どもたちのワクワク感を高めたいときや、クリスマスイベントを始めるときの導入にも役立ちそうです。
幼児クラスの子どもが楽しめる手遊び歌を、保育に取り入れよう
今回は、幼児クラス向けの手遊びのアイデアを春夏秋冬の季節別に紹介しました。
手遊び歌にはリズム感覚を養ったり友だちとの交流を楽しんだりするというねらいがあるようです。
そのため、歌にのせて全身を動かしたり、友だちとペアになって取り組んだりするような手遊びをすれば、子どもの運動機能を高めたりコミュニケーション力を発達させたりといった効果が期待できるかもしれませんね。
「はじまるよ」や「おべんとうばこ」などは定番で子どもたちにも人気の手遊び歌でしょう。
そんな手遊び歌を活用して、子どもたちと日々の保育を楽しんでみてはいかがでしょうか。