新たに保育園で働こうと決めた時、「働きやすい園がいいな」「自分に合った保育園か見分け方を知りたい」という気持ちでリサーチをする人が多いと思います。
本記事では、自分に合った働きやすい保育園の見分け方と、応募の前にチェックしておきたいポイントについて元保育士の目線で紹介します。
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働きやすい保育園の見分け方を紹介!
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保育士として働きやすい保育園を見つけるには、どのような特徴に注目すればよいのでしょうか?
保育士にとって理想の職場環境とは、労働条件が良いだけでなく、自分の考えに合った保育方針や、働きやすい雰囲気が整っていることが重要です。
ここでは、働きやすい保育園の特徴や見分けるポイントについて解説します。
労働条件が自分のライフスタイルに合っている
働きやすい保育園は、保育士さんが無理なく働けるよう、勤務時間や残業が配慮されています。
時短勤務やシフトの柔軟性、残業の少なさなどは、特に家庭との両立を考える保育士さんにとって大切なポイントです。たとえば「時短勤務が可能」「残業が少ない」など、希望の働き方が実現できることが挙げられます。
保育方針が自分の理想に合っている
保育園によって保育の理念や方針は異なります。「子どもの自主性を大切にしているか」「年齢ごとの発達に合った保育が行われているか」など、自分の考え方に合った保育ができる園であれば、仕事にもやりがいを持ちやすくなります。
園のホームページなどで、園の理念や方針を確認することが大切です。
職場の雰囲気や職員同士の関係が良好
保育士がチームワークを発揮し、協力し合える職場は働きやすい環境といわれています。職員間でサポートし合い、意見を言いやすい雰囲気があるかどうかは、保育園見学時や面接時に保育士の表情や態度から感じ取ることができます。
職員が互いに支え合っている職場は、ストレスも少なく長く働きやすい職場の可能性が高いです。
人手に余裕がある
保育士の配置がしっかりとされている保育園は、保育士一人ひとりの負担が軽減されるため、無理なく働ける環境が整っている傾向です。
人手が足りないと、保育士にかかる業務量が増えやすく、働きやすさが損なわれてしまう可能性もあるため、保育士の配置人数や補助員の有無なども注目ポイントです。
休暇制度が充実している
有給休暇が取得しやすく、産休・育休がしっかり整備されていることも、働きやすい保育園の特徴のひとつです。
休暇制度が充実している保育園では、職員がリフレッシュできる機会が確保されているため、安心して長く働き続けやすい環境といえるかもしれません。
【働きやすい保育園の見分け方】応募前にチェックしたいポイント8選
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応募を考えている保育園が「働きやすい環境かどうか」を見極めるには、応募前に具体的な確認が大切です。ここでは、応募前にチェックしたい保育園情報のポイントを8つ紹介します。
1.保育園の規模感や配置人数
定員20名ほどの小規模な園から、200人以上の子どもが在籍する大規模な園までさまざまな保育園があります。マンションの一室を保育室として利用しているところもあれば、公園のような広い園庭がある園もあり、規模によって雰囲気は大きく異なります。
じっくりと子どもに関わるような保育がしたい人は小規模〜中規模、たくさんの子どもたちと一緒に賑やかに過ごしたいという方は大規模な園を選択すると、自分の理想と近い働き方がしやすくなると思います。
しかし、数字だけでは雰囲気が分からないのも事実。実際に面接時に保育士が1人あたり何人の子どもを担当しているか確認することをおすすめします。
2.通勤範囲、立地
どんな職業であっても、働く場所がどこにあるかは重要なポイントです。通勤に何分かかるのか、電車を使う場合は乗り換えが何回あるのか、朝の混雑具合も調べておくと良いでしょう。
利便性を重視し、園の近所に住むことで仕事とプライベートの境界が曖昧になってしまう可能性もあるので注意が必要です。買い物をしていたら、保護者に会ってしまった……ということもあります。
反対に、電車と徒歩で1時間以上離れた職場で働いた時は、通勤時間に本を読んだり、その日の保育についてシミュレーションをしたりと、頭を切り替える余裕を持つことができますが、体力的にも精神的にも負担が増してしまいがちです。
立地選びも良し悪しがあるため、事前に園の周囲を調べておくことで、より働きやすい環境かどうかがわかります。
3.設立年数や運営年数
保育園の設立年数も、職場環境を見極める参考になります。50年以上の歴史がある社会福祉法人と、3年前に株式会社が立ち上げた保育園とでは雰囲気が異なります。
歴史のある保育園では、しっかりとした保育理念のもと、地域社会に根付いた保育を行っているところが多く、園が積み重ねてきた確かな保育に携わることができます。
反対に、設立年数が浅い保育園は、現代のニーズを積極的に取り入れ、若い保育士もアイデアを出しやすい雰囲気があります。もちろん園のカラーによる部分も多く、一概には言えませんが1つの判断材料としておすすめです。
4.年間行事の内容と頻度
年間でどんな行事を行っているのかも確認しておきたいポイント。保育参観やお誕生日会、遠足などは、園の規模に関わらず共通した行事ですが、「発表会」と一口に言っても「生活発表会」「作品展」「クリスマス発表会」など発表会の種類や回数もさまざまです。行事と行事の間にどれくらいの期間が空いているのかを見ると、おおよその忙しさが予想できます。
たとえば、10月中旬の運動会が終わったら、12月上旬には発表会、さらに毎月20日に誕生日会があり、保護者面談を3カ月に一度に行なう場合、行事と行事の間の日数が少なく、準備に追われます。
たくさんの行事を経験したいのか、行事よりも日々の保育に集中したいのか、年間の計画と自分がやりたい保育を頭の中で照らし合わせてみると良いかもしれません。
5.延長保育といったイレギュラーな保育の有無
保育園によっては、日常の保育以外に早朝や夜間の延長保育、イベントごとの宿泊保育や、園外活動といった「イレギュラーな保育」が頻繁に行われる場合もあります。
こうした特別な保育が多いと、保育士の負担が増えやすいため、応募前に確認しておくとよいでしょう。
6.施設の環境や設備
働きたい保育園の環境構成によって、保育のしやすさが大きく変わります。保育室の作りはもちろん、園庭の広さや、周辺環境(交通量や公園の有無)まで調べておくと良いでしょう。そして、職員室やロッカー、駐車場、休憩室など、子どもと関わりがない場所まで確認できれば、働いたときのイメージがしやすくなります。
しかしこれらの情報は、ホームページを見ただけでは分かりにくいため、面接時に保育室やトイレ、休憩室の様子を見たり質問したりすることも大切です。
7.研修制度とキャリアアップ支援
保育士として成長し続けたい方にとって、研修制度やキャリアアップ支援の充実度は、働きやすさを判断する大切なポイントです。研修が充実している保育園では、新しい保育スキルや知識を習得しやすく、日々の保育に活かすことができます。「新人向け研修」「保育スキルの向上を目指す研修」など、園がどのような研修を行っているかを確認しておくと安心です。
また、キャリアアップ支援が整っている保育園では、保育士からリーダー職や主任職への昇進が可能だったり、スキルを評価されて昇給のチャンスが増えたりすることもあります。
8.職員の平均年齢や年齢構成
働いている職員は、どれくらいの年代の人が多いのかを知っておくことで、園の雰囲気を掴みやすくなります。
たとえば、若い世代の職員が多い職場は活気があり、新しいアイデアが積極的に取り入れられやすい傾向にあります。一方、年齢層が高めの場合は、保育スキルや知識が豊富な職員が多く、困ったときにアドバイスをもらいやすいといったメリットがあるでしょう。
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