10の姿の「協同性」は、保育所保育指針・幼稚園教育要領に示されている幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の一つです。今回はその言葉の意味や、保育士さんが遊びの中でどのように子どもの姿を見ていけばよいのかを解説します。年齢別の事例をもとに、協同性の育ちがわかる子どもの姿をみていきましょう。
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10の姿の一つ「協同性」とは
こども家庭庁・厚生労働省による「保育所保育指針解説」によると、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿における、「協同性」とは以下のように解説されています。
友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的 の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。
出典:保育所保育指針解説/こども家庭庁より抜粋
10の姿の「協同性」は、友だちのとの関わり合いのなかで、共通の目的を実現するために協力したり、工夫したりする経験を通して育まれるようです。
具体的な経験としては、以下のようなことがあげられるでしょう。
- 保育士との信頼関係を基盤に友だちとの関わりを深めていく
- 思いを伝えあい試行錯誤しながらともに活動する楽しさを味わう
- 共通の目的が 実現するよろこびを味わう
- ともに活動するなかで、それぞれの持ち味が発揮され、互いのよさを認め合う
このときに注意したいのが「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、子どもが絶対に達成しなければならない目標ではなく、保育士さんの援助の方向性を示したものであるということです。
協同性を育む遊びを無理に設定するよりも、子どもたちが協同性の育ちに向かっていけるように、遊びの中で保育士さんが声かけをしたり、適切な援助をしたりしていけるとよいですね。
【年齢別】保育で「協同性」の育ちにつながる実践例
協同性を育む遊びを考えるのではなく、子どもの姿から「協同性」の育ちにつながる姿を見つけて援助していくことが大切となるでしょう。
幼児期の終わりまでに育ってほしい姿は、「5歳児の終わりまで」を目安として設定されていますが、3歳児や4歳児を受け持つ保育士さんたちも意識したいと考えているかもしれません。
「協同性」の育ちにつながる姿にはどのようなものがあるか、年齢ごとに事例をもとにみていきましょう。
1歳児
<活動内容:散歩中の秋探し>
1歳児のクラスでは「秋の季節感を楽しみながら散歩をする」が今週の目標。
赤く染まった葉っぱを見つけたり、ちょっと冷たい風を感じたりしながら、近所の公園へ出かけました。
歌からイメージをつなげて、赤い落ち葉を「まっかか」と形容する姿が見られます。
好きな保育士さんが歌っていたことを思い出し、保育士さんの元へ報告しに来てくれたのかもしれません。
「言葉でやりとりを行ない、イメージを共有する」というと、4・5歳児の姿を想像しますが、それは乳児期からの積み重ねによって見えてくる姿ではないでしょうか。
1歳児などの乳児では、言葉で具体的なイメージを伝えるよりも、子どもたちが好きな歌を活用すると楽しくイメージを共有することができるかもしれません。
4歳児
<活動内容:水族館ごっこ>
4歳児クラスでは、遠足で水族館へ行った後から「水族館ごっこ」が流行しました。
遠足後には思い出に残ったことを絵に残す活動を行ない、みんなの前でどんなことが印象的だったか発表する機会を設けました。
協同性の育ちは一日で発達するものではありません。
3歳児クラスから、保育士さんが丁寧に子どもたちの思いや考えを聞いたり、友だちとのやりとりを仲介したりすることが大切となるでしょう。
その結果、4歳児で自分たちなりに言葉のやりとりでイメージを分かち合う、折り合いをつけていくといった姿につながりそうですね。
5歳児
<活動内容:みんなで看板製作>
5歳児クラスでは、冬の発表会の準備を進めています。
発表を見に来てくれるお客さんのために、案内表示の看板を作ることになりました。
1m×2mの大きな段ボールに模造紙を貼り、クラスでひとつの看板を作ります。
発表会に向けて共通の目的を持ち、思いをぶつけあって試行錯誤しながら取り組む5歳児の子どもならではの姿です。
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「協同性」の観点を意識するポイント
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幼児期の終わりまでに育ってほしい「協同性」の観点から、保育をするうえで意識したいポイントをまとめました。
イメージや気持ちを共有する楽しさを味わえるように工夫する
子どもが保育士さんや友だちと、イメージや気持ちを共有することの楽しさを味わえるようにしましょう。
1歳児など乳児クラスでは、歌や絵本の読み聞かせを通してイメージを分かちあえるとよいでしょう。
そのとき、同じ場面で笑ったり、笑顔で顔を見合わせたりといったことで、子どもたち同士が気持ちを共有するうれしさを感じられるかもしれません。
3歳児くらいで、言葉で気持ちを伝えられるようになったら、みんなの前で考えを発表するような場を設けてみましょう。
発表会を通して友だちの言葉に共感することや、自分の言葉を聞いてもらうことを通して、伝えあうよろこびを味わっていけるとよいですね。
子どもたち自身の「伝えあい」を見守る
子どもたち同士が言葉でのやりとりを楽しめるよう、仲立ちをしていきましょう。
自分の言葉を受けとめてもらう経験を重ねることで、友だちの話を聞こうとする姿勢が育まれるかもしれません。
3歳児や4歳児では、自我のぶつかりあいからケンカに発展してしまうこともあるでしょう。
そのときは保育士さんが間に入り、それぞれの思いを受けとめながら仲裁を重ねていくことが、子どもたち自身で解決に向けて折り合いをつける力につながりそうです。
友だちのよさや個性への気づきを促す
友だちといっしょに遊ぶなかで、子どもたちが自分の思いや個性を充分に発揮することが大切となるでしょう。
保育士さんが子どものよいところを発信していくと、子どもたち同士もお互いのよさに気づけるかもしれません。
そうして力を合わせて活動することで、協同することの大切さが身についていくのではないでしょうか。
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子どもの「考える」「伝えあう」を観察して「協同性」につなげる
今回は、10の姿の一つ「協同性」について、その意味や保育士さんが保育活動を通じて子どもたちに協同性の育ちをうながすポイントを紹介しました。
子どもたち自身がイメージし、考えを深め、言葉で伝えあおうとする姿が協同性につながるでしょう。
そこへ保育士さんが介入しすぎてしまうと、子ども自身で想像する機会が失われてしまうかもしれません。
今、この子はどんなことを考え、どんなことを言いたいのかを見極めながら、必要以上のアプローチをせず見守ることも大切ですね。
一人ひとりの姿をよく観察しながら、適切な距離間で子どもたちを見守り、10の姿「協同性」の育ちに向けて働きかけていきましょう。
保育所保育指針の重要ポイントとも言える「10の姿」について、それぞれの視点とエピソードを解説しています。
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